『伝統構法』とは、社寺・数寄屋・民家などの日本建築を支えて来た技術です。
金物を使わず木と木を組み合わせ、構造架構すなわち木組みそのもので家を建てるという伝統的なやり方であり、構造そのものの美しさがある建築技術です。

壁に力を求めず単なる間仕切りと考え、大きな木を柱と梁として力強く組み合わせることによって耐力を生み出す考え方です。
対して、筋交い・付属金物・構造用合板で壁量を確保して家を建てるという構法を『在来構法』といいます。

伝統構法には、木組みの見た目の美しさもさることながら、耐震強度・耐久性・メンテナンス性など優れた点が幾つもあります。
締め固めた地面に石を置き、その上に柱を建てる。
壁は柱と柱を通し貫で繋ぎ、竹小舞に土壁を塗る。
地震等の外力が加わった場合、木組みだけで固められた構造体はしなり、壁は土壁が壊れることで外力を吸収します。
強い外力が加わって柱が石から外れ傾いたとしても構造体は壊れることはありません。

一方で在来構法は、地面と一体となった基礎に構造体が緊結されています。
その為、地震等の外力がそのまま構造体に伝わります。
柱や梁といった構造体は、伝統構法ほど太い材を使わず、抵抗する耐力壁と呼ばれる壁に筋交いや面材を使い金物で補強します。

免震構造とは、地震の揺れを各部で吸収して、地震エネルギーが建物に伝わり難くした構造です。
耐震構造は、地震エネルギーの激しい揺れに構造の持つ力で対抗しようとするものです。
前者が伝統構法、後者が在来構法と言うことも出来ますね。

現在、我が国で建築されている木造軸組構法住宅。
その内99%が在来構法であり、伝統構法は1%程にしかすぎない言われています。

伝統構法がなぜ少ないのか。
確認申請等に時間がかかったり、建築工期も少し長くなります。
そして最大の原因は、こういった建築技術を持つ大工・職人が減ってきていることなのです。

弊社代表は長年宮大工として伝統構法を専門にしております。
長持ちのする家を建てたいという施主様のご期待に応えていきます。